たたら場の炉に触れたときの土のざらざらとした感触。
空間に立ち込める炎の熱。
掛け声とともに炉に投入される砂鉄と炭とが炎の中で音を立ててじりじりと燃える。

およそ100年前までたたら製鉄が行われていたこの町に、再び火が灯り、燃え広がろうとしています。たたら製鉄の文化は、自然と人との共生の歴史そのもの。今を生きる私たちにとって、たたらと共に生きた人々の生き方を紐解くことが、これからの時代を生きていく手がかりとなるのかもしれません。

この指輪の製造は、かつてたたら製鉄により全国のものづくりを支えた島根県は奥出雲地方、雲南市吉田町で鋳造し、加工、完成とするまでの工程すべてをこの場所で行っています。これによって私たちが感じたことは、すべての工程において私たち自身が責任を負うということ。それゆえに、自分自身を律しつつ、ひたむきに目の前のひとつひとつと向き合うことができていると実感しています。

ベースとなる形は、日本刀における鎬(しのぎ)を彷彿させるものに。指輪表面には、たたらの炉に触れて感じたざらざらとした質感を映すように、金槌を用い手作業で加工を施しました。全体的なフォルムは、やわらかさを残すことで身に着けて心地よいと思えるものとなるよう仕上げています。指輪は3㎜/4㎜/6㎜の3つの幅展開でご用意しました。
結婚指輪など、普段使いするジュエリーとして身に着けやすい幅。適度な厚みにやわらかな鎬(しのぎ)が指の間に触れ、時に感じる違和感もまた心地よい指輪に。
表面積が大きくなることで、より一層、表面の凹凸や地金の重さを実感できる形。指輪としての主張もあり、コーディネートにこだわりを魅せるひとつとして。
圧倒的な存在感を放つ6㎜幅の指輪。身に着けるうちに角が取れ、肌に馴染んでゆく。時間をかけて変化してゆく金属の表情を愉しんでいただけるはずです。
私たちが五感で感じたたたらを、その文化的な価値を、たたらと生きた先人たちの知恵を、この国のものづくりの過去と未来を。
指輪という肌に触れる「物」を通してお伝えすることができれば幸いです。

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